「オリエンタルリンパドレナージュ」は、リンパの流れを整えるだけでなく、ツボへのアプローチも組み合わせるのが特徴。東洋医学に関心のある方や、施術の幅を広げたいセラピストから注目されています。
この記事では、オリエンタルリンパドレナージュの特徴や資格の取り方、学ぶ内容のベースとなる中医学の考え方、資格を活かせる場面までわかりやすく解説します。
オリエンタルリンパドレナージュは、西洋のリンパドレナージュに、中医学と美容鍼の要素を取り入れた技術です。リンパの流れを整える手技と、ツボを刺激するアプローチを組み合わせた「ダブルのアプローチ」で、体を内側と外側から整えることを目指します。
西洋式のリンパドレナージュだけを学ぶ場合とは異なり、ツボや経絡、五臓六腑といった東洋の考え方も取り入れたケアを身につけられる点が魅力です。
オリエンタルリンパドレナージュは、インターナショナル美容鍼灸協会(IBAA)の名誉会長である故・小泉陽咲枝氏が確立した「小泉式美容メソッド」をベースにしています。西洋医学と中医学をもとに生み出されたメソッドとして紹介されています。
※参照元:インターナショナル美容鍼灸協会公式HP(https://www.ibaa-ninsho.jp/)
一般的なリンパドレナージュは、デンマーク出身のエミール・ボッダー博士が起源とされる西洋生まれの手技で、ボッダー博士の知識と技術を体系化した「ボッダー式MLD(マニュアル・リンパ・ドレナージ)」が現在のリンパドレナージュの基礎になっています。
オリエンタルリンパドレナージュは、この西洋の手技に、ツボや経絡といった東洋医学の視点を加えている点が大きな違いです。
※参照元:BrushUP学び「医療用リンパドレナージュの資格と種類」(https://www.brush-up.jp/theme/therapist/lymphatic-massage/sub/medicallymph)
オリエンタルリンパドレナージュの資格は、インターナショナル美容鍼灸協会(IBAA)が認定する民間資格です。資格名は「オリエンタルリンパドレナージュセラピスト」で、ケアする部位ごとのコース(フルボディケア、小顔リフトアップケア、美脚ヒップアップケア、ヘッドヒーリングケア)に分かれて認定されます。
年齢や経験の条件は特になく、未経験からでも目指せます。資格は、協会が指定する講座を受講し、修了することで取得を目指す仕組みです。
学ぶ部位の範囲によって期間は異なります。小顔や脚など部位を絞ったコースであれば数ヶ月程度、全身のケアや複数のコースをまとめて学ぶ場合は半年〜1年以上かけて学ぶケースもあります。
オリエンタルリンパドレナージュの資格は、指定講座の修了が条件のため、独学だけで取得することはできません。
ただし、試験会場に行く必要がなく、自宅で学習から修了まで進められるため、忙しい方でも挑戦しやすい資格です。
費用は主に講座の受講料です。部位を絞ったコースか、全身や複数のコースをまとめて学ぶかによって受講料は変わります。また、教材が動画のみか、DVDの教材も付くかによっても差があります。
時期によってはキャンペーン価格が設定されることもあるため、申し込み前に最新の料金と、受講料に含まれる教材・サポートの内容を確認しておきましょう。
オリエンタルリンパドレナージュでは、リンパの知識に加えて中医学の基礎も学びます。ここでは、学ぶうえで知っておきたい代表的な考え方を紹介します。
東洋医学では、体の中を流れる「気血(きけつ)」の通り道を「経絡(けいらく)」と呼びます。経絡の上にある反応点が「経穴(けいけつ)」、いわゆるツボです。経穴の位置は、2006年にWHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局の会議で361穴として国際的に標準化されました。
※参照元:公益社団法人大阪府鍼灸師会「ツボとは」(2026年10月調査時点)(https://www.osaka-hari9.jp/tsubo.html)
※参照元:全日本鍼灸学会雑誌「WHO経穴部位国際標準化の経緯と今後」(2026年10月調査時点)(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/57/5/57_5_576/_article/-char/ja/)
中医学には、万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素からなるとする「五行説」という考え方があります。体の働きも、肝・心・脾・肺・腎の「五臓」と、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦の「六腑」に分類して捉えます。なお、ここでいう臓腑は西洋医学の臓器そのものではなく、心身の働きを分類したものです。
| 五行 | 五臓 | 六腑 |
|---|---|---|
| 木 | 肝 | 胆 |
| 火 | 心 | 小腸 |
| 土 | 脾 | 胃 |
| 金 | 肺 | 大腸 |
| 水 | 腎 | 膀胱 |
こうした考え方を理解しておくと、お客様の悩みを体全体のバランスから捉え、施術やセルフケアのアドバイスに活かしやすくなります。
※参照元:名古屋大学医学部附属病院 総合診療科「五行と五臓」(https://note.meidai-soushin.net/kanpo-ep-3-5gyo-5zo/)
オリエンタルリンパドレナージュは美容鍼の考え方を取り入れていますが、施術で鍼を使うわけではありません。鍼を使った施術を仕事として行うには、国家資格である「はり師」の免許が必要です。
※参照元:厚生労働省 法令等データベース「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80138000&dataType=0&pageNo=1)
オリエンタルリンパドレナージュは、ケアする部位ごとにコースが分かれています。
| コース | 主な内容 |
|---|---|
| フルボディケア | 全身のリンパの流れと経絡に沿ってケアし、すっきりとしたボディラインを目指す技術 |
| 小顔リフトアップケア | 頭や顔、首、デコルテをケアし、引き締まったフェイスラインを目指す技術 |
| 美脚ヒップアップケア | ふくらはぎや太もも、腰まわりのリンパと経絡を意識し、脚とヒップのラインを整える技術 |
| ヘッドヒーリングケア | 頭部のケアに特化した技術 |
フェイシャルメニューを充実させたい方は小顔リフトアップケア、全身の施術を提供したい方はフルボディケアというように、将来の働き方をイメージして選ぶとよいでしょう。
エステサロンやリラクゼーションサロンで、リンパケアとツボへのアプローチを組み合わせたメニューを提供できます。すでにサロンで働いている方は、東洋の考え方を取り入れた施術として差別化につなげることも可能です。
資格を活かして自宅サロンを開業する方もいます。開業する際は、施術の範囲や広告の表現に関する法律、万が一に備えた保険についても確認しておきましょう。
仕事にしない場合も、自分自身や家族のむくみケア、リラックスタイムに学んだ知識を役立てられます。ツボの知識は、日常のセルフケアにも取り入れやすいでしょう。
| 資格名 | 認定団体 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| オリエンタルリンパドレナージュセラピスト | インターナショナル美容鍼灸協会(IBAA) | リンパドレナージュに中医学と美容鍼の考え方を取り入れ、部位別のコースで学ぶ |
| 経絡リンパセラピスト | 国際ボディトリートメント技術認定協会(IBCA) | 東洋医学の経絡・経穴の理論と、西洋のリンパドレナージュを組み合わせて学ぶ |
| リンパケアセラピスト | 日本能力開発推進協会(JADP) | アロマオイルを使ったオイルリンパトリートメントの知識と技術を学ぶ |
東洋医学の要素を取り入れた資格にも、それぞれ学ぶ内容や認定方法に違いがあります。どの資格が優れているということはなく、学びたい技術や働き方に合わせて選びましょう。
インターナショナル美容鍼灸協会は、2005年に設立された団体です。中医学をもとにした「小泉式美容メソッド」の普及を目的に、オリエンタルリンパドレナージュや美容鍼灸に関する資格認定、技術開発を行っています。
| 名称 | インターナショナル美容鍼灸協会(IBAA) |
|---|---|
| 設立 | 2005年 |
| 主な活動 | 小泉式美容メソッドの普及、資格認定、技術開発 |
| 公式HP | https://www.ibaa-ninsho.jp/ |
※参照元:インターナショナル美容鍼灸協会「協会概要」(2026年10月調査時点)(https://ibaa-ninsho.jp/about/profile.html)
A. 会場で受ける試験はなく、講座の添削課題にすべて合格すると修了となります。修了後に協会へ申請することで認定証が発行されます。
A. いいえ。鍼を使った施術を仕事として行うには、国家資格である「はり師」の免許が必要です。オリエンタルリンパドレナージュで学ぶのは、手によるリンパケアとツボへのアプローチです。
A. 動画やテキストで手順を学ぶことはできますが、プロとして施術するには練習を重ねることが大切です。就職や開業を目指す方は、講師から直接実技指導を受けられるスクールもあわせて検討するとよいでしょう。
オリエンタルリンパドレナージュは、西洋のリンパドレナージュに中医学と美容鍼の要素を取り入れた技術です。インターナショナル美容鍼灸協会(IBAA)が認定する民間資格で、指定講座を修了し、協会に申請することで認定証を取得できます。
経絡やツボ、五行説といった東洋医学の考え方も学べるため、施術の幅を広げたい方におすすめです。部位ごとに分かれたコースから、自分の目的に合った内容を選んで学んでみてください。
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