フリーランスセラピストになるには

フリーランスは業務委託契約を結ぶ働き方。特定の会社・店舗に雇用されるよりも、自分のペースで働けるのが魅力です。この記事では、フリーランスセラピストになるための準備や手順、メリット・デメリット、収入の目安、活躍できるジャンルなどを紹介します。

フリーランスのセラピストになる手順

業務委託・契約先を決める

まず、自分がどこで働くかを決めましょう。業務委託や契約先を見つけることで、安定して仕事を始められます。業務委託・契約先を探す方法はいくつかあります。インターネットの求人サイトやフリーランス専門のマッチングサイトを利用すると、多くの情報を得られるので試してみてください。また、SNSやセラピスト向けのコミュニティに参加して、ネットワークを広げるのも有効です。以前勤めていたサロンや知り合いの紹介を通じて契約先を見つけるのも一つの手。契約内容や報酬についてしっかり確認し、納得した上で契約を結びましょう。

設備・備品を購入する

次に、施術に必要な設備や備品を購入します。例えば、マッサージベッドやタオル、オイルなどです。設備・備品の質は、快適な環境の提供、そして満足度向上に繋がります。設備や備品の購入先は、インターネットの通販サイトや専門店を利用すると良いでしょう。コスト重視なら前者、実際に目で見て確認したいなら後者がおすすめ。セラピスト向けの展示会に参加すると、トレンドの設備や備品を直接見て触れられるのでおすすめです。必要なものをリストアップして、信頼できる購入先を選びましょう。

開業届を提出する

独立開業とは働き方が異なるフリーランスですが、基本的に開業届の提出が必要です。国税庁のホームページから開業届をダウンロードする、または税務署で直接用紙を受け取りましょう。開業届には、氏名や住所、事業の内容など基本的な情報を記入します。記入方法に不安がある場合は、税務署の窓口で相談するか、インターネットにアップされている内容を参考にしてみてください。提出先は、自分が住んでいる地域を管轄する税務署です。開業届の提出期限は、事業を開始してから1ヶ月以内。手続きを忘れてしまうと、後々税務処理でトラブルになるので注意しましょう。

青色申告承認申請書を提出する

申請書を提出することで、経費計上がしやすくなるほか、税金の控除が受けられます。開業届と同じく、国税庁のホームページからダウンロードする、または税務署で直接用紙を受け取りましょう。提出先も開業届と同じく、自分が住んでいる地域を管轄する税務署になります。申請期限は、原則として開業日から2ヶ月以内、またはその年の3月15日まで。期限を過ぎると、その年は青色申告ができなくなるので注意しましょう。

セラピストがフリーランスになるメリット

雇用契約を結んで働く場合と比べたときのメリットをまとめています。

自由度の高い働き方ができる

フリーランスになると、働く時間や場所を自分で決められます。雇用契約を結んで働く場合は、お店が決めたシフトや営業時間に沿って働きますが、フリーランスなら自分のライフスタイルに合わせてスケジュールを調整可能です。例えば、朝早くから仕事を始めたり、昼間に休憩を取ったり、週末を完全に休みにしたりできます。家族との時間や趣味の時間を大切にしたい方におすすめです。子育て中の方は子どもの送り迎えの時間に合わせて仕事を調整したり、夜型の生活が好きな人は夜遅くまで働いて、朝はゆっくり過ごしたりできます。

支出を経費に計上できる

フリーランスとして働くと、仕事に関連する支出を経費として計上できます。雇用契約を結んで働く場合、仕事に関係する書籍や資格取得費が自費になることもありますが、フリーランスならそれらの費用をすべて経費として申告できるのです。

収入アップを目指しやすい

お店で働く場合、働く時間を決めるのは雇用する側。給与を決めるのも雇用する側のため、大幅な収入アップは目指しにくいのが現実です。フリーランスならお客様の数や施術の内容に応じて自由に料金を設定できるため、収入アップを目指しやすいでしょう。

セラピストがフリーランスになるデメリット

収入が安定しにくい

フリーランスは、自分の努力次第で収入が変わります。雇用契約を結んで働く場合と違い、固定の収入がないため、計画的な貯金が必要です。収入をなるべく安定させるには、業務委託・契約先を複数確保したり、自分でプロモーション活動を行って新規顧客を増やしたり、技術を磨いてリピーターを増やしたりする必要があります。

フリーランスのセラピストになる前にやっておくべきこと

フリーランスは収入が安定しにくいため、事前準備がとても大切になります。フリーランスになる前にやっておくべき準備をまとめました。

セラピストの資格を取得する

セラピストとして働くためには、まず資格を取得することが大切です。例えば、マッサージやアロマセラピーの資格を取得すると、専門的な知識と技術を持ったプロとして信頼されやすくなります。資格はセラピストとしての基礎となるので、しっかりと勉強して取りましょう。資格を取得するには、専門のスクールや講座に通うのが一般的です。参考までにセラピスト関連の資格の一例を紹介します。いずれも国家資格ではなく、協会・民間企業が認定している資格になります。

  • アロマテラピーアドバイザー:日常生活でのアロマ活用法を提案できる資格です。
  • リフレクソロジスト:リフレクソロジーの知識と技術を習得できる資格です。
  • 新リンパ療法師:服を着たままで行える、骨格矯正とリンパマッサージの考え方を組み合わせた施術法の資格です。
  • 整体師:関節や骨格に関する知識を学び、整体院で働くための技術を習得できる資格です。

講習会やスクールに通う

資格を取った後も、技術をさらに磨くために講習会やスクールに通うのがおすすめ。最新の技術や知識を学んで、サービスの質を高めれば、お客様に満足してもらえる施術ができるようになります。学び続ける姿勢が、プロのセラピストとして大切です。

勤務しているサロンで顧客を掴む

フリーランスのセラピストになる前に、自分の顧客を作っておくことは非常に大切です。既にサロンで働いている人は、その環境を最大限に活用してお客様との信頼関係を築いておきましょう。顧客を掴んでおくと、フリーランスになったとき、あなた目当てに来店してくれる可能性が高まります。具体的には次のアクションを試して自分の顧客を獲得していきましょう。

信頼関係を築く

お客様一人ひとりに対して丁寧に接し、施術中に適切なコミュニケーションを心がけましょう。お客様の体調や悩みを聞き、親身に対応することで信頼関係を築きます。

サービスの質を向上させる

定期的に新しい技術を学び、トレンドにも対応することで、お客様に満足してもらえる可能性を上げられます。

継続的にお客様と連絡をとる

来店後もお客様と連絡を取り合い、フォローアップを行います。フリーランスになった際に連絡が取れるよう、お客様の連絡先はしっかりと管理しておくことが大切。LINEやメールアドレスを交換し、定期的にコミュニケーションを取り、感謝のメッセージやお得な情報を伝えて、お客様に自分の存在をアピールしましょう。

サービスをパーソナライズする

お客様の好みやニーズを把握し、それに合わせたパーソナライズされたサービスを提供します。「特別扱いされている」と感じることで、リピーターになってもらいやすくなります。

セラピストがフリーランスで活躍できるジャンル

リンパケアセラピスト

滞っているリンパの流れをケアするリンパケアセラピスト。講習会やスクールで技術を学ぶのが一般的です。リラクゼーション目的のサロンから、ちゃんとした資格を取れば医療・介護業界まで需要があるジャンルなので押さえておきたいところ。働き方の幅を広げるためにも、資格を取得し、技術を身につけておきましょう。

リラクゼーションセラピスト

体と心をリラックスさせるリラクゼーションセラピスト。アロマ・リラクゼーションサロンやエステサロンの需要が高いジャンルです。人のストレスや疲れた身体を癒やしたいと考えている人におすすめ。専門の資格を取得し、実践で経験を積むのが一般的です。

メンタル系セラピスト

心のケアを専門とするメンタル系セラピスト。手技ではなく、精神面へのアプローチがメインとなります。メンタル系セラピストを目指す場合は、臨床心理士、産業カウンセラーなどの資格を取得するのがおすすめ。カウンセリングやヒーリングを通じて、心のケアをサポートします。

美容系セラピスト

顔や体の美容ケアを行う美容系セラピスト。美容エステサロンの需要が高いジャンルです。フェイシャルやボディの美を追求したい方におすすめ。国家資格はありませんが、協会や民間企業の資格を取得することで技術力をアピールできるでしょう。

フリーランスセラピストの収入はどれくらい?

フリーランスセラピストの収入は、働く場所や時間、スキルによって異なります。ロングセラー起業講座で紹介されているセラピスト専門コンサルタント監修記事によると、フリーランスのセラピストの年収相場は平均で300万〜400万円とされているとのこと。これはあくまでも目安であり、エリアや働く時間、顧客数によっては400万円以上を目指すことも可能です。

参照元:ロングセラー起業講座|2024年6月28日時点で確認できた情報(https://thrivecare-seminar.com/blog/reason-high-demand-therapists/)

まとめ:ライフスタイルに合わせて稼ぐならフリーランスも一つの手

フリーランスセラピストは、自分のペースで働きたい人に向いています。自分の好きな時間に仕事ができるため、仕事とプライベートの両方大切にしながら、スキルアップする時間も確保できるでしょう。ただし、安定した収入を得られる雇用契約での働き方に比べると、収入減のリスクが伴うのも現実。まずは資格を取得したり、技術を磨いたりしてフリーランスとして成功するための下準備をしておくことが大切です。

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