セラピストの種類

セラピストと言っても、いろいろな種類があります。セラピストの種類によって取得しなければならない資格や、仕事内容が異なるので注意が必要です。このページでは代表的なセラピストの種類と、それぞれの特徴について紹介するので資格選びの参考にしてください。

ボディ系・美容系のセラピスト

オイルを使用しながら、トリートメントを施すセラピストです。基本的に民間資格となりますが、職場によっては資格取得を求めないケースもあります。未経験者がゼロから学ぶケースだけでなく、自身のスキルアップのために資格取得を目指すケースもあるでしょう。自身のサロンを開業する方や就職する方、趣味とする方までさまざまです。

エステティシャン

利用者の悩みに寄り添い、肌・全身の状態に応じてトリートメントを行うセラピストです。化粧品・機器などを使用するケースもありますが、セラピストのハンドだけで施術を行うケースもあります。エステティシャンになるための資格は様々で、ボディ・フェイシャルなど部位別に学ぶものや、海外でも活用できる資格まで多種多様です。

スクールに通い、座学・実技を含めて学んでいくことが多いでしょう。特にエステティシャンになるための決まった資格はありません。無資格・未経験であってもエステティシャンとして仕事をすることは可能です。ただ接客業であるため、事故・トラブルに発展しないためにも基本的な知識・スキルは必要でしょう。事前に資格取得していれば、就職で有利になるというメリットもあります。

リフレクソロジスト

手・足などにある反射区を刺激しながら施術を行うセラピストです。リフレクソロジストは民間資格であり、スクールに通学または通信講座を受講することで資格取得が目指せます。通信講座の場合は実習がないため正しいフォームや力加減を習得するのが難しいでしょう。そのため実践的・本格的なテクニックを学びたいのであれば、スクールに通学するほうがおすすめです。リフレクソロジストは資格を取得しなくても勤務することは可能ですが、資格を取得したほうが様々な利点があるでしょう。

カイロプラクター

関節・筋肉に圧力を加え、振動を与えるなどの施術を行うセラピストです。カイロプラクターは民間資格である「カイロプラクティック」の資格を取得しているケースがほとんど。基礎知識・医学内容・実際のテクニックなどを通学・通信講座などで学習していきます。ただ通信講座では実際のテクニックを習得しにくいので、基本的に通学でテクニックを身につけるといいでしょう。

リラクゼーション系のセラピスト

心身のリラックスやストレス軽減を目的として施術を行うセラピストのことです。リンパマッサージやリラクゼーションマッサージ、アロマテラピー、ヘッドリラクゼーションなどがあります。

リラクゼーションセラピスト

視覚・触覚・聴覚に刺激を与えながら、心身のリラックスやストレス緩和などを図るセラピストです。リラクゼーションセラピストは特別な資格が必要なわけではありません。無資格であっても仕事することはできますが、リスクを抑えるためにも専門的な知識やスキルは必要となります。さまざまな民間資格があるため、自分のイメージに合ったリラクゼーションセラピストになれる資格取得ができるスクールを探しましょう。基本的にはサロンに勤務するケースが多く、経験を積んだあとで独立する方も少なくありません。

アロマセラピスト

花・樹木・フルーツなどの香りを使用して、ストレス軽減や心身のリフレッシュ効果を得る施術を行うセラピストのことです。アロマセラピストのための民間資格も複数存在し、認定団体も異なるので学ぶ内容はスクールによって異なります。アロマ・精油に関する知識やアロマを活用したテクニックを習得。試験はスクールによってある場合とない場合があります。アロマテラピーを導入しているサロンに就職するケースがほとんどです。産婦人科や高齢者施設などで勤務している方もいます。

カラーセラピスト

色を用いて心理療法を介して精神的な問題を緩和していくセラピストです。カラーセラピストはインテリア業界・ファッション業界など色彩に関係する業界での仕事も数多くあります。カラーセラピストとして本格的に活躍したいのであれば、色彩に関する民間資格を取得したほうが良いでしょう。資格の内容によってカリキュラムも異なりますが、色の効果・原理・活用方法などを学ぶことがほとんどです。サロンで働くケースも多く、資格取得後に独立する人もいるでしょう。

メンタル系のセラピスト

心理的な悩み・ストレスのある人に対し、心理学に基づき分析・カウンセリングを行うセラピストのことです。ストレス軽減や悩み解消などを図り、心理カウンセラー・産業カウンセラーとして活躍している方も多く存在しています。また臨床心理士や国家資格である公認心理士などの資格を取得しているケースだけでなく、カウンセラーを自称して無資格で働いているケースも。そのため「セラピスト」としての肩書ではなく、カウンセラーとしての肩書で働いている方も多いでしょう。施術を行うというよりも相談者の心理的なサポートが主な仕事です。

心理カウンセラー

悩みを抱えている相談者の話を丁寧にヒアリングしながら、自分自身で解決できるように導く仕事を行うセラピストです。特に資格がなくても心理カウンセラーを名乗れるため、どうしても心理カウンセラーの質が下がる要因になっています。質を保つためにも精神分析・行動療法などの心理療法のために必要な専門知識を習得したほうが良いでしょう。相談者から信頼を得るためにも、資格を取得したほうが無難です。病院・学校・企業など活躍の場は幅広くあります。

臨床心理士

精神的な問題を抱えている方に対して、精神分析・カウンセリング・認知行動療法などのテクニックを用いながらサポートを行う専門職です。公益財団法人認定の民間資格もありますが、心理学を学ぶための指定大学院を修了しなければなりません。日本臨床心理士資格認定協会が認めている大学院か専門職大学院にて学び、受験資格を獲得してから試験に合格すると「臨床心理士」として活動するといった流れが基本です。心理学の知識だけでなく、倫理・法律などの知識も学びます。心理内科・学校などで勤務することが多く、医師や職員との連携を図りながら心のケアを行う仕事です。

公認心理士

精神的な悩み・不調のある方に心理学の知識・テクニックを活用してサポートを行う専門職です。公認心理士の場合は国家資格となり、指定カリキュラムがある4年生の大学を終了したのち、定められた期間以上の実務経験を経てから受験資格が得られます。公認心理士の国家試験にクリアすれば、公認心理士として勤務できるのです。国家資格の難易度は比較的高いので、しっかりと学習する必要があります。精神科のある医療施設・クリニックや福祉施設、学校などで勤務する形です。

医療系・リハビリ系のセラピスト

病気や障害などによって心身に不調がある患者に対して、マッサージ・機能訓練などの治療を行うセラピストです。基本的に医師の指示のもとで施術を行うため、国家資格を取得しなければなりません。そのためセラピストと呼ばれるよりは、取得した資格の名称で呼ばれるケースがほとんどです。病院・介護施設などで勤務したい方にお勧めと言えるでしょう。

理学療法士(PT)

病気・ケガ・加齢などによって運動機能が低下した方に対して、リハビリを行う専門資格です。運動機能の回復を目的としており、運動療法・温熱療法などを活用しながら治療にあたります。理学療法士になるためには国家資格を取得しなければなりません。養成課程のある大学・短大・専門学校で学習し受験資格を獲得したのち、国家試験に合格すれば理学療法士として勤務が可能です。病院や介護施設で働くケースがほとんどですが、地域包括支援センター・児童福祉施設などでリハビリを行うことも。幅広く活躍の場があるでしょう。

作業療法士(OT)

病気・ケガ・加齢などによって日常生活が難しくなった方に対してリハビリを行う専門資格です。食事・排泄などの生活動作のリハビリをするだけでなく、家事・仕事・地域活動・余暇などの復帰も目的とした動作訓練や環境づくりも行います。作業療法士として働くためには、国家資格を取得しなければなりません。理学療法士と同様に養成課程のある大学・短大・専門学校で学習し受験資格を獲得したあとで、国家試験に合格すると作業療法士として勤務可能です。作業療法士も病院や介護施設、精神病院、精神保健福祉センターなどの場所で働いているケースが多いでしょう。精神疾患や障害のリハビリに関係している点も作業療法士の特徴と言えます。

言語聴覚士(ST)

食べる・話す・聞くことの専門家とも言える資格で、病気・発達などの問題でコミュニケーションや嚥下などに支障を抱えている方に対しリハビリを行う仕事です。話す・食べるなどは生きることに直結しているからこそ、生きがいを強く感じられる仕事と言えるでしょう。患者の社会復帰を目指しており、国家資格のひとつです。養成課程のある大学・短大・専門学校で学習し受験資格を得たうえで、国家試験に合格すると言語聴覚士としては働けます。理学療法士・作業療法士よりも難易度は高くなります。一般病棟・介護施設・特別支援学校などで勤務するケースが多いでしょう。

柔道整復師

筋肉・関節・骨・靭帯などの損傷に対して、運動機能の改善を図る専門の資格です。外相による脱臼・肉離れ・捻挫・骨折などの症状のある方に整復・固定などのテクニックを学びます。柔道整復師になるためには国家資格に合格しなければなりません。養成課程のある大学・短大・専門学校で知識・テクニックを習得したのち国家試験を受験・合格すれば柔道整復師となれます。徐々に難易度は高くなっているので、しっかりと学ぶ必要があります。接骨院・整骨院を自身で開業することもできますが、医療機関・介護施設・スポーツ分野など幅広い活躍の場があるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師

筋肉・神経・関節などのトラブルを解消するために、あん摩やマッサージ、指圧を行うための専門資格です。骨折・術後の拘縮・脳梗塞の後遺症・腰痛・五十肩など様々な悩みを抱えている方に対して、揉む、押すなどの施術を行いながら痛みを和らげるなどのテクニックを習得しています。マッサージ師という名称は、あん摩マッサージ指圧師だけが活用できる名称なので、資格がない方がマッサージ師と名乗れば法律違反です。大学・短大・専門学校で学習しながら受験資格を得て、国家試験を受験・合格しなければなりません。接骨院・治療院などが主な就職先ですが、自宅施術・介護施設・スポーツ施設などで働くケースもあります。

鍼灸師

神経痛・関節痛・腰痛・肩こりなどの症状を抱えている方に対して、鍼灸を行う専門資格です。金属の針を使用して経路を刺激し、免疫力・自然治癒力を高めることを目指している治療法で、血液循環アップの効果があると言われています。鍼灸師になりたいなら専門課程のある大学・短大・専門学校で受験資格を得て、国家資格に合格しなければなりません。また鍼灸師の場合ははり師・灸師に分けられ、2つの試験に合格する必要があります。もちろん別々に試験を受けることも可能ですが、同時に受験すれば共通科目の試験が免除されるので同時受験のほうが良いかもしれません。鍼灸院・接骨院・クリニックなどが主ですが、エステサロンやスポーツ施設などに就職する方もいます。

そのほかのセラピスト

ここまで紹介してきた資格以外にも、さまざまな種類のセラピストも存在しています。知名度のあるものとして音楽療法士とも呼ばれる「ミュージックセラピスト」や、食に関する「フードセラピスト」などです。ここでは2つのセラピストの特徴についてみていきましょう。

ミュージックセラピスト

歌・楽器演奏・音楽鑑賞などの活動を介して、心理的な安定・発達などを促進するセラピストです。音楽療法士と呼ばれることもあり、医療・福祉の現場でも高い需要があるでしょう。ミュージックセラピストの資格は複数あり、音楽学校などで専門的な知識を習得するケースや、通信講座・スクールなどで学習するケースもあります。小論文を提出する場合や作曲を行う場合なども。病院・介護施設・養護学校・NPO法人などに就職する場合もありますが、ボランティアとして活躍している方も多いでしょう。

フードセラピスト

日々の食事・栄養の療法を介して、患者の体や心の不調を整えるためのセラピストです。栄養士のように国家資格ではなく、民間資格なので食育が主な活動となります。民間資格は複数存在し、マクロビオティック・アスリート向け・生活習慣予防など目的によって学習する内容が変わるので注意しましょう。ジム・学校給食・医療・介護などが働く職場であり、セミナー講師や料理教室を自身で開催している人も存在しています。

セラピストの種類に関するまとめ

セラピストには複数の種類があり、仕事内容や働く場所は異なります。美容系・リラクゼーション系・心理系・医療系など様々です。活動するためには国家資格を取得しなければならないことも。まずは、どのようなセラピストになりたいかを考え、そのイメージに合った資格取得を目指しましょう。

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