お客様の身体に直接ふれて施術を行うリンパマッサージなどのリラクゼーションサロンでは、どんなに気をつけていても思わぬ事故やトラブルが起こるおそれがあります。
このようなリスクに備える方法のひとつとして役立つのが保険への加入です。事故やトラブルは、例えば以下のような場面で起こりやすくなります。
オイルや美容液などを使って行うリンパメニューは、お客様の体質や肌質によってオイルなどが合わないケースがあります。美容機器メニューでは、機器との相性が合わず体調不良を起こす可能性もゼロではありません。
特に、お客様自身がご自宅で使用する物販品やレンタル品など目の届かないケースでは、肌荒れや体調不良を起こさないよう十分な説明が必要です。
また、トラブルが大きくならないような対策も欠かせません。万が一、体調不良があった際には使用を中止して、ただちに医療機関を受診するようすすめましょう。
リンパメニューを提供するリラクゼーションサロンでは、施術後の捻挫リスクが高くなります。特に、もみ出しなどの痩身術や関節周辺への施術で起こりやすく注意が必要です。
トラブルの原因は美容機器の出力ミスや操作ミスが大半ですが、お客様のコンディションによってはいつもと同じメニューでも捻挫してしまう場合があります。
自宅などを改装したプライベートサロンなら問題ありませんが、不特定多数の人が出入りする店舗では盗難のリスクが挙げられます。
貴重品の盗難が起こらないよう、鍵付きのロッカーを用意するなどの工夫が必要です。
店舗の損害や自然災害リスクも忘れてはなりません。
日本は地震大国な上、昨今の急激な気候変動による台風や大雨、大雪、強風などの自然災害リスクが高い国です。
例えば、台風や大雨で建物が浸水してしまうと、営業できなくなってしまいます。建物の壁や屋根が壊れても修理が必要なため、サロンの一時休業を余儀なくされてしまいます。
サロンの運営リスクに対する対策として、法人向けに提供されている損害保険があります。サロン開業時に検討できる代表的な保険は以下の通りです。
店側の損害賠償にかかった費用を補償する保険です。お客様にケガを負わせる、物を壊してしまうなど、店側が支払うべき損害が発生した際に補償できます。
サロンが提供したサービスが原因で、顧客自身にケガを負わせたり持ち物を傷つけてしまったりした場合に適用される保険です。
顧客から預かったものを傷つけたり汚したりしてしまった際、賠償金の支払いを求められることがありますが、その金銭的なダメージを軽減させるのが受託物賠償責任保険です。今後の損害防止に必要な費用や訴訟にかかった費用なども補償されます。
災害によって建物が壊れたなどが原因で、サロン運営を続けられない場合にダメージをカバーする保険です。保険会社が決めた補償可能なケースのみ補償するタイプと、補償対象外にあてはまらなければ補償するタイプの2つがあります。
業務中の予期せぬケガや事故などを補償する保険です。仕事場への通勤途中の転倒や捻挫など、思わぬトラブルに対し保険金が支払われます。
上記で紹介した施設賠償責任保険や火災保険、PL保険などがまとまり、パッケージ化されたものです。仕事内容に合わせた補償を受けられます。
天災など、やむを得ず休業を余儀なくされた際の金銭的ダメージを補償するために、保険会社から支払われる保険です。保険金は、店の売上から原価を引いた粗利益から算出されます。
保険を選ぶのに大切なのは、補償してくれる内容がサロンに合っているか、必要かどうかです。保険の種類によっては補償しない施術が含まれていることもあるので、保障の対象を確認しましょう。
脱毛サロン業界の場合、脱毛メニューが補償内容に含まれていないことも多いです。リンパメニューを提供するサロンなら、どんなトラブルや事故の補償をしてくれるか内容をしっかりと確認しましょう。
ただ、補償内容が充実している保険ほど、当然料金も高くなります。サロンの運営規模や状況に見合っているか、料金に対して適切な金額の補償がされているかも確認してください。
まず、気になる補償内容や補償範囲が決まったら、保険会社の担当者に問い合わせるか、オンライン加入手続きを行います。担当者との対面による対応の場合は打ち合わせ・契約日を決めて締結します。
オンラインの場合、契約書類送付のほかに本人確認書類も必要です。準備して申込書とともに送れば申し込み手続きが完了します。
保険の中には、サロンで起こりやすいトラブルに合わせたものがあります。
リンパマッサージサロンで例えると、施術中に強く圧をかけすぎてしまい炎症が起こり皮膚科での治療が必要となった場合、持病の痛みを悪化させてしまい病院での治療を求められた場合など、事故補償が必要になった際に、保険金を受け取り補償金を支払えます。
保険の補償範囲や内容によって料金が異なるほか、契約期間に違いがあります。一度サロン向けの保険に入ったら、契約更新などのタイミングで必要な補償範囲と内容を見直すことも大切です。
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