美容系施術に興味のある人であれば耳にする機会も多い「リンパドレナージュ」と「リンパマッサージ」。これら2つは、異なる施術なのでしょうか、同じ施術なのでしょうか?
リンパドレナージュは「代替医療」のひとつです。代替医療は、病院などで受ける医療の代わりに行われる医療行為を意味します。他にも、整体や漢方薬利用、カイロプラクティックなどが有名です。リンパドレナージュは、リンパ液への働きかけにより、むくみ解消を目指したりリラックス効果を得ようとするための施術です。
リンパドレナージュは、ヨーロッパやアメリカでは、病院などの医療現場での正式な医療行為として認められています。けれども、日本では法律上で認められていません。そのため、リンパドレナージュの施術が提供される場は、主にエステサロンといった場所にとどまっています。
正式な医療行為として確立されていない状況なので、資格がなくても、エステサロンで他人に施術を行うことが可能です。国家資格が必要なあん摩マッサージや鍼灸とは異なる位置づけです。
リンパドレナージュとリンパマッサージの違いは何でしょうか。それぞれの定義を述べるのであれば、一応、次のようになります。
リンパを滞らせている原因を取り除いてリンパ液の流れをスムーズにする施術
リンパの流れに沿うようにマッサージをしてリンパを活性化する施術
どちらも、リンパの流れを改善して老廃物の排出をするための施術であることがわかります。また、その手法の差が不明瞭です。2つの施術について、明確な違いを述べるのは困難なようです。しかも「リンパドレナージュは施術名を、そしてリンパマッサージは施術の動作を表す」など、まったく違う定義をされている場合まであります。
リンパドレナージュとリンパマッサージは、考え方によっては全く同じ施術を指しているという印象さえあります。それはなぜでしょうか。
リンパドレナージュは、1930年代にヨーロッパで生まれた施術です。その後、ヨーロッパやアメリカなどで発展を続け、医療現場での実績が積まれてきました。それが日本に輸入された際、「排水」や「排出」を意味する「ドレナージュ」というフランス語になじみが薄かったため、もっと身近な単語である「マッサージ」と訳されたようです。そして、もともとの施術法に日本独自のアレンジを加え、美容などを主な目的とする代替医療として広まっていきました。
このような浸透過程を考えると、リンパマッサージとリンパドレナージュの違いが不明確である理由にもうなずけます。
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