マッサージには私たちの心を癒してくれる効果がありますが、その理由について考えてみたことはありますか?
実は、マッサージに癒し効果があるのは、近年注目されているホルモン「オキシトシン」が関係しているからなんです。そんなオキシトシンについても触れながら、マッサージにおける癒し効果について解説していきます。
マッサージには、どのような癒し効果が期待できるのでしょうか。それぞれの効果について紹介します。
マッサージを行うと、血の巡りが良くなり、リンパもスムーズに流れるようになっていきます。すると、筋肉のこわばりや緊張がほぐれ、だんだん体も温まっていきます。
このように体が心地いい状態になると、ストレスも解消され、深くリラックスできる状態になっていくのです。
マッサージによるリラックス効果は、緊張しているときやイライラしているときなどにも有効です。副交感神経を優位にしたいときには、積極的に取り入れていくといいですね。
私たちは、さまざまなストレスを抱えて生きています。このストレスが強くなると、コルチゾールという物質の分泌量が増え、心身に悪影響が出てしまいます。たとえば、寝付きが悪くなる、情緒不安定になる、仕事や趣味に打ち込めなくなる…など。
そのようなとき、マッサージを受けることによって、コルチゾールの値が下がるという研究結果が出ています。つまり、マッサージにはストレス解消効果があるということなんです。
「なかなか寝付けない…」「寝ているはずなのに疲れが取れない…」こんなことが頻繁にあると、体力的にも精神的にも辛いもの。
このように睡眠の質で悩んでいる人にも、マッサージは有効です。副交感神経が優位になれば、心身ともにリラックスした状態を作れます。そうすれば、心地の良い眠りにつきやすくなるでしょう。
また、ベッドに入る1~2時間前、40℃前後のお湯に15~20分程度つかることで、さらにマッサージによる安眠効果が期待できるようになります。
マッサージで心が癒されることの一つに、オキシトシンという物質が関係しています。
オキシトシンとは、「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれ、近年注目されている物質のこと。この分泌量が増えることによって、幸福度が高まったり、ストレスが解消されたりと、さまざまな効果を得られるのです。
オキシトシンは、だれかと手をつなぐ、ハグをするなど、肌を触れあわせることによって高まります。これは、マッサージでも同様で、オキシトシンの分泌が促されるのです。
さらに、タッチケアでオキシトシンが増加することも近年注目されています。タッチケアとは、その名の通り触るケアのことであり、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えたり、減少させたりしてくれるのです。
驚きなのが、マッサージやタッチケアを行う人にもオキシトシンが分泌されること。
施術を受ける人も施術をする人も癒される効果があるため、積極的に行っていきたいですよね。
オキシトシンの分泌量を増やし、さらにマッサージによる癒し効果を高めるためのポイントを3つ紹介します。
オキシトシンの分泌量を高めるためには、「お互いに触れ合いたい」「触れ合うことが快適だ」と思えることが大切です。そのため、コミュニケーションを図り、一緒にいることがプラスだと思える状態を作っていきましょう。
とくに、マッサージ店で施術をする、施術を受けるというときには、お互いに心を開きやすくするためのコミュニケーションを図ることがポイントです。
オキシトシンには、相手の感情と共鳴する作用があります。そのため、どちらかが不安だったり、イライラしたりしているときにマッサージするよりは、リラックスした状態でマッサージしていく方がいいでしょう。
とくに、施術をする人が心穏やかな気分でいることによって、マッサージを受ける人も安心しリラックスした状態になれます。
相手が喜んでくれれば、マッサージをしている方も嬉しい気持ちになり、さらにオキシトシンが分泌されるという効果も期待できるでしょう。
眠気やだるさを解消したいときのマッサージでは、痛くない程度に素早く手を動かすこともありますよね。反対に、癒し効果を目的としたマッサージでは、優しいタッチでゆっくり触れることが大切です。
英国の神経心理学者たちが行ったある研究によると、人は1秒間に5㎝前後の速度で肌を撫でられた状態がもっとも心地よさを感じられるという結果が出たそうです。そのため、1秒間に5㎝前後のスピードを目指し、オキシトシンの分泌量を高めていくこともポイントといえるでしょう。
また、マッサージを短時間でやめてしまうより、5分~10分程度続けていくことで、オキシトシンのさらなる増加を期待できます。
施術の際も、自分にマッサージを施す際も、ゆっくりとしたスピードを心がけ、一つの箇所に5~10分程度の時間をかけて行っていくとよいでしょう。
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