「妊婦さんにリンパマッサージを頼まれた」このようなケースでは、施術を行っていいものか考えてしまうでしょう。結論を言うと、適切な方法ならば行っても大丈夫です。それでは、どのような施術が適切なのか、詳しくみていきましょう。
まず、妊婦さんがリンパマッサージを受けるメリットを3つ、紹介します。
妊娠している女性は、精神的に不安定になりやすく、ストレスを抱えていることも珍しくありません。
そんな妊婦さんがリンパマッサージを受けることで、心身ともにリラックスでき、ストレスを軽減できるというメリットがあります。
妊娠中の女性は、ホルモンバランスの乱れによって体がむくみやすいという悩みを抱えていることがよくあります。
このような症状には、自律神経が整うマッサージが効果的です。血行を良くし、体が温まりますので、むくみ改善や顔色が明るくなるというメリットがあります。
妊娠中の女性には、体の全面に重みがかかっています。そのため、体のバランスを取ろうとし、後ろに重心をかけることで腰に負担がかかっているケースがしばしばあります。
このような姿勢の乱れなどによって、辛い腰痛に悩まされている妊婦さんも少なくありません。
そこで、妊婦さんにリンパマッサージを受けてもらうことで、辛い腰痛を軽減させるメリットを期待できます。
妊婦さんには、リンパマッサージが受けられない時期もあります。それでは、どのタイミングで施術を受けてもらうのが良いのでしょうか。
妊婦さんへマッサージをする場合、安定期に入ってから行うことがポイントです。
安定期というと、一般的には妊娠5~7ヶ月目のことを指します。妊娠5ヶ月目に入ると、赤ちゃんへと栄養を与える胎盤が完成し、母子ともに体調が安定しやすくなるため、安定期と呼ばれているのです。
ただし、安定期に入っていたとしても、妊婦さんの体調が優れない場合や、医師からの許可をもらっていない妊婦さんに対しては、マッサージすることを避けましょう。
マッサージを行う当日は、妊婦さんの体調についてしっかり聞くようにし、気分が優れないようならばすぐ伝えてもらうようにすることもポイントです。
妊婦さんにリンパマッサージの施術をする際には、いくつか注意点があります。それでは、とくに気をつけたいポイントについて詳しく解説していきます。
妊婦さんへのマッサージにおいて、腰付近への強い指圧や振動を与えることは避けましょう。
もともと、強い指圧は怪我や痛みにつながるため、推奨される行為ではありません。
妊婦さんが相手の場合はなおさらです。腰痛の悪化や気分が悪くなることを避けるためにも、強すぎる指圧を行うことはやめておきましょう。
また、同じく腰付近に振動を与えることも避ける必要があります。
妊娠して間もない場合お腹のふくらみはまだ目立っていないし楽だという理由などから、うつ伏せでの施術を希望する妊婦さんもいるかと思われます。しかし、万が一のトラブルを避けるためにも、うつ伏せでの施術は避けましょう。
妊婦さんにマッサージを施す場合は、仰向けや横向きなど、負担が少ない体制を取ってもらいながら行うことがポイントです。
体には、子宮を刺激するツボも存在します。とくに、足には子宮を刺激するツボが多く、足首の外側が卵巣、前側が卵管、内側が子宮、かかとが生殖器…というように密接な関わりがあります。
妊婦さんにマッサージを施すとき、このようなツボを押すことは避けましょう。子宮の収縮を促してしまい、陣痛や流産を引き起こしてしまうかもしれないからです。
ほかにも、手の親指と人差し指の狭間にある合谷、ふくらはぎの内側にある山陰交、肩にある肩井なども、妊娠中に押してはいけないツボとして知られています。
子宮を刺激するツボの周辺をマッサージするときは、強めにプッシュすることは避け、リンパを優しくさする程度にしましょう。
妊娠中の女性に施術をする場合、体調が安定していることが大前提です。
しかし、施術中に妊婦さんの具合が悪くなってしまったときは、すぐに中止してください。
中止したあとは、気分が回復するまで休んでもらうか、可能であれば妊婦さんのご家族を呼びましょう。また、心配な場合は、医師の診察を受けるように伝えることが大切です。
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