アロマセラピストは、天然の植物から抽出したエッセンシャルオイルを使って、リラックスや心身のバランスを整える施術を行う仕事。エッセンシャルオイルには様々な種類があり、香りや成分が異なるため、各オイルの特性や組み合わせ方についての知識が必要です。また、人体に直接施術するため、解剖生理学や皮膚科学の知識、トリートメント技術も求められます。
この記事では、アロマセラピストになるための方法をステップごとに紹介しているほか、2024年時点のアロマセラピストの平均年収、求人の傾向についても解説しているので、参考にしてみてください。
まずはアロマセラピストがどんな仕事するのか知って、必要なスキルを把握していきましょう。
アロマセラピー(またはアロマテラピー)は、エッセンシャルオイルを利用して、心身をリラックスさせたり心身のバランスを整えたりする施術のこと。香りを楽しむ芳香浴法や、エッセンシャルオイルを入れた湯に浸かる沐浴法、オイルを希釈して肌に塗布するトリートメント法などがあります。一般的にはお客様の悩みをヒアリングし、その内容に合わせて施術内容や使用するオイルを決定してから施術を行います。
店舗によって異なりますが、エッセンシャルオイルの選び方をアドバイスしたり、サロン内の清掃や事務作業を行ったりすることもあります。また、店舗の責任者や自分でサロンを開業する場合は、店舗運営や管理、それに伴う事務作業も必要です。
アロマセラピストは専門的な知識と技術が求められる職業です。独学で目指すこともできますが、アロマセラピーに関する専門学校や、アロマセラピストを養成するスクールで知識と技術を学んだほうが効率的でしょう。サロン実習などを通じて実践的なスキルを習得できます。
アロマセラピストになるための必須資格はありませんが、協会や民間企業が認定している資格が複数存在します。資格を取得しておくと就職で有利になる可能性が高まるので、取得しておいたほうが良いでしょう。一例としてアロマセラピストに関する資格をいくつか紹介しているので、参考にしてみてください。
エッセンシャルオイルの基礎知識を問われる「アロマテラピー検定」に合格する必要あり。検定は一級と二級があり、筆記試験と香りテストで構成されています。検定合格後、AEAJに入会し指定講座を受講すると「アロマテラピーアドバイザー」の資格を取得できます。
アロマテラピーアドバイザーを取得した後、認定スクールで必修講座を受講し、学科試験と実技試験に合格するとえられる資格です。エッセンシャルオイルの知識や解剖生理学、皮膚科学、トリートメント技術が問われます。
JREC(日本リフレクソロジスト認定機構)が主催する資格で、施術やサービスを提供できる技術を証明するものです。リフレクソロジーの基礎知識と技術を習得します。
日本インストラクター技術協会の認定資格で、アロマの種類や効果に関する知識を習得できます。リラクゼーション技術の向上を目指す人に適している資格です。
主な就職先はリラクゼーションサロンですが、販売店、温泉施設のスパ、ホテルのリラクゼーション施設、介護施設、医療機関など、多岐に渡ります。最近では、病院や介護施設内のリラクゼーションサロンにも需要が。スクールや研修の講師として活躍することも可能です。
ちなみに、サロンや販売店で経験を積んだ後は、技術を磨いて責任者や指導者になる道があります。独立開業して、自宅の一室を店舗にする道もあるので、「最終的にどうなりたいか」を踏まえてキャリアを形成すると良いでしょう。
求人検索エンジン「Indeed」の情報によると、日本のアロマセラピストの平均年収は342万4,135円。アロマセラピストの平均年収が高いエリアは大阪府大阪市北区(449万2,707円)、千葉柏市(373万4,554円)、愛知県名古屋市中区(358万0,789円)となっています。エリアによって平均年収に大きな差があるため、アロマセラピストを目指している方は大阪市北区・柏市・名古屋市中区で求人を探すと良いかもしれません。
また、サロンによっては指名手当などのインセンティブがつくところもあります。その辺りも踏まえたうえで、求人情報を比較・検討するのがおすすめです。
「Indeed」の検索エンジンで「アロマセラピスト」と記載して求人検索を行ったところ、該当した求人は5,680件もありました。雇用形態別にみると正社員は2,853件、業務委託は2,029件、アルバイト・パートは764件、契約社員は156件、新卒は8件、派遣社員は3件、請負1件という結果。以外にも多かったのは業務委託で、柔軟な働き方が業界に浸透しつつあることが分かります。アルバイト・パートの求人が3番目に多いのも、一度セラピスト業を離れた人が再就職しやすい環境になっていると言えます。
勤務地別に見ると東京の求人は200件、神奈川は62件、大阪は58件となっていました。やはり首都圏のほうが求人は多い傾向にあるようですが、その分競争率も高いと予測されます。これらはすべて2026年6月28日時点で確認できた情報であり、求人の傾向は日々変わっています。これからアロマセラピストの知識と技術を学び、資格を取得される予定の方は、アロマセラピストになるためのステップを経てから、就職したい業界・地域のあたりをつけた後に最新の情報をチェックすることをおすすめします。