ここでは、国家資格が必要な医療系のリンパマッサージ資格について紹介しています。
国家資格が必要な医療系リンパマッサージは以下の3つ
それぞれの資格について、一体どのような資格なのか、また、どうしたら取得できるのかなどを、くわしく解説しています。
医療リンパドレナージセラピストというのは、ガンの手術後やその他の疾病などにより起こる「リンパ浮腫」に対する治療を行う資格者のことです。
医師の診断および指示に基づいて、患者さんやその家族に対する生活指導、また保存的治療となる「複合的理学療法」によって、治療を行うことができます。
(※複合的理学療法とは、スキンケア・医療リンパドレナージ・圧迫療法・運動療法を症状に合わせて行い、セルフケア指導によって奏功効果を引き出すものです)
医療リンパドレナージセラピスト協会認定による民間資格で、医療リンパドレナージセラピストの基礎から、医療の現場に於いてどのような形で活用するのかなど、応用までを学べるもので、2019年3月現在、約2300名以上が資格を取得しています。
エミール・ボッダー博士が患者の首や喉のリンパが腫れていることを発見。リンパの流れに関連性があるのではと推察し、リンパに関してのマッサージを行うと改善の兆しがみられました。それらを体系化することで、「リンパマッサージ」と定義。その後、様々な発展を経て「リンパドレナージュ」として理論が深まりました。目的としてはリンパ浮腫の緩和です。リンパ浮腫の原因として、がん治療が挙げられます。がん治療によってリンパを切除したり、あるいは放射線治療の影響でリンパの流れに影響が出てしまうことから、リンパに何らかの異変を感じる患者が多いため、それらの改善のために医療用リンパドレナージュが脚光を集めるようになりました。
リンパ浮腫の治療としてはスキンケアや圧迫療法、圧迫と運動療法を掛け合わせたものなどが挙げられるのですが、リンパドレナージも効果が期待されています。但し、美容のためのリンパドレナージュとは異なるものである点は注意が必要です。
「医療リンパドレナージセラピスト」の資格は、医師や看護師といった医療従事者、また、作業療法士や理学療法士、マッサージ指圧師といった有資格者が対象です。
リンパドレナージに関する正しい知識と技術を習得するためには、認定校において自分の要望に沿った受講内容のコースを受講し、認定試験に合格することが必要となります。認定試験に無事合格すれば、認定資格が発行されます。
それらに加えて資格を取得中の学生が条件です。
現在は、多くの医師や正看護師がこの資格を所有しており、取得する方の数は徐々に増加しています。理由は合格率が高く、講習期間も比較的短いからです。医療リンパドレナージセラピストの資格は、合格率が90%で講習にかかる期間は約半年程です。
そのため、医師や理学療法士などの資格からステップアップを行うための資格として非常に適しています。実施する施術には、医療リンパドレナージの他にスキンケア、圧迫療法や運動療法などのさまざまなタイプがあります。
医療リンパドレナージセラピストの資格を取得しておけば、リンパ浮腫などのさまざまな症状を改善し、患者の健康を守ることが可能です。リンパ浮腫の治療も率先して行いたい方は養成講座を受講し、医療リンパドレナージセラピストの資格を取得しておきましょう。
初級講習会と中級講習会に参加したのち修了試験に合格することで医療リンパマッサージセラピストの資格を取得できます。初級講習会と中級講習会ともに10日間の講習を受けることが前提条件で、その後筆記、実技、口頭の試験が待っています。
中級試験終了後、2日間かけて修了試験を実施。修了試験の合格者には、修了証が発行されます。
初級講習会、中級講習会、修了試験費用など全て含まれています。
受験資格を得るには、初級中級ともに講習会が定める規定の出席日数に達していなければなりません。初級中級ともに、欠席が1日以内の受講者に対しては、最終日に「受講証明書」を発行します。
試験内容は、筆記試験・実技試験・口述試験を2日かけて行います。
合格率が90%以上もある医療リンパドレナージセラピストの難易度は低めといえます。仮に修了試験に落ちた場合でも、2年間は受験資格が有効です。期間内であれば何度でも受験証明書を発行してもらえるでしょう。
2年間の期限が過ぎてしまった場合は、養成講習会を再度受講した後に受験資格がもらえます。多くの方が合格しやすい試験となっているのが特徴です。
初級から実技試験が待っていますので、決して簡単に取得できる資格だとは言えませんが、初級はどちらかといえば座学の方が重要です。但し、中級となると実技講習が長くなります。知識よりも、どれだけ実践できるのかが求められることになりますので、暗記ではなく、実践的な面が求められることになります。
但し、医療リンパドレナージセラピストは既に国家資格を取得している人を対象にしたもので、それらの国家資格と比べると、決して難易度は高くはないとの声もあります。特に医療リンパドレナージセラピストの試験は、ふるいにかけるためのものではなく、より多くの人に医療リンパドレナージセラピストを知ってもらい、かつ医療の現場で役立ててもらいたいとの思いが強いので、講習をしっかりと受ければ合格できることでしょう。
自分のスキルアップにつながるのが最大のメリットです。看護師や作業療法士などの医療関係者であれば、給与にプラスして資格手当がつく場合があります。医療分野出身以外で新しく取得した方でも、資格を持つことで転職や開業の際に有利になってくるでしょう。
デメリットは、医療資格を持っていないと受験資格がないことです。誰でも受験資格が得られるわけではないため、専門学校に通うか認定の講習会を受講しなくてはなりません。医療行為にあたるので、しっかりと規定の機関にて学ぶ必要があるのです。
年々需要が高まりつつある医療リンパドレナージセラピスト。平成30年3月時点で2,194名います。資格取得者の多くは医師や看護師といった医療関係ですので、おもに病院やクリニックといった医療関係で活躍しています。
リンパ浮腫の専門外来である「リンパ浮腫外来」がある病院では、治療の中心的な役割を担っているところもあるそうです。医療分野において、医療リンパドレナージセラピストの資格は今後さらに重宝されていくといえるでしょう。
診療報酬改正によってリンパ浮腫指導管理料が保険適用となったことを受けて、リンパ浮腫の予防や患者さんへの指導ができる医療従事者の育成をはかるため、「リンパ浮腫セラピスト」という認定資格が発行されることになりました。リンパ浮腫で悩んでいる患者の多さと比べて適切な処置ができるセラピストが少ないことから、リンパ浮腫セラピストの養成や普及のためにと日本リンパドレナージスト協会が認定した資格制度です。
受講資格があるのは、医師・正看護師・作業療法士・理学療法士といった医療従事者なので、また、実技実習コースのみ、按摩マッサージ指圧師も対象となっています。
座学、実習のいずれか、あるいは双方の受講により取得が可能なもので、誰でも取れるものではございません。
資格取得者は、患者さんに対するリンパドレナージやスキンケア、弾性着衣や弾性包帯を使った圧迫療法、さらには日常生活の指導などを行うことができます。
「医療リンパドレナージ協会」「日本リンパドレナージスト協会」などが資格の認定を行っており、教育機関には、協会が主催する養成講座や「フランシラナチュラルセラピストスクール」などがあります。
カリキュラムは、厚生労働省後援の新・リンパ浮腫研修委員会が策定する「専門的なリンパ浮腫研究に関する教育要綱」に準じた独自のプログラム編成になっています。
前期においては、MLD手技や患者さんに対する指導に必要な技能の習得。後期においては、医師の指示に応じた専門的なケアが行える技能の習得が主です。
修了試験・審査は、講義科目と実習科目に分けて行われ、修了試験に無事合格してクリニック研修を終えた人に修了証の発行がされます。
リンパ浮腫セラピストの資格を取得するためには、座学研と修実技研修の2つを受講しなければなりません。実技研修に含まれる、認定試験に合格することが必須条件です。合格した後にリンパ浮腫セラピストとして認定されます。
33時間以上の講習を受けることが規定とされています。ライフプランニングセンター主催の新リンパ浮腫研修を受講。合計4日間の外部講義になっています。
67時間以上の講習を受けることが規定とされています。一般社団法人(ICAA)認定のリンパ浮腫専門医療事業者資格取得コースを受講。座学研修と実技研修を受講することで受験資格が得られます。
受講料 421,200円
一例として2019年に行われた養成講習会の費用をお伝えします。
MLD/CDT Therapy Training:300,000円
Review course:80,000円
座学研修と実技研修の2つを受講しなくてはいけません。座学33時間以上と実技研修67時間以上を満たすことで受験資格が得られます。
講習プログラムに関しては90日間にわたって行われます。
座学、実習を含めて午前・午後に分けて集中的に講義し、10日目に実技試験となります。
座学よりも実習の方が多いので、暗記に頼るものではなく、実践的な試験となっています。
リンパ浮腫セラピスト養成講座は2012年からのデータがあります。
2012年 | 100% |
2013年 | 93% |
2014年 | 100% |
2015年 | 100% |
2016年 | 100% |
2017年 | 91.5% |
2018年 | 85% |
比較的高い合格率ではあるものの、近年は合格率が減少傾向にあります。
国家試験取得者が参加する講座となっていますので、国家試験と比べれば難しくはないと囁かれている一方で、座学よりも実習が中心となりますので、試験に臨む意欲によって合格率が変わっていることが予想されます。
日本リンパドレナージスト協会としても、リンパ浮腫のスペシャリストを増やしたいとの思いがありますので、試験で篩いにかけるのではなく、より多くのリンパ浮腫セラピストを養成し、医療の現場で力を発揮してもらいたいとの思いがありますので、講習をしっかりと受講すれば合格できるよう設定されていることが予想されますので、近年の合格率の低下は、日本リンパドレナージスト協会としても不本意な結果といえるでしょう。
認定試験に合格したら、ICAAへの会員登録が必須です。初年度は入会金は受講料の中に含まれています。年間費は5,000円ほどで、任意継続となっているのが特徴です。継続者はフォローアップやセミナーに参加する際、割引対象になります。
リンパドレナージュの本家本元であるエミール・ボッダー博士が生んだテクニックが「MLD(マニュアルリンパドレナージュ)」です。
この施術にはオイルなどを一切使わず、また強い圧を加えることもなく、羽のような軽いタッチで手指の繊細な動きを用いて施術します。
動脈血流に影響を及ぼすことなく、リンパの流れのみを促進できるのが大きな特徴で、マニュアル・リンパ・ドレナージュの基本的な知識を持っている人間を認定する民間資格。オーストラリアのDr.ボッダーアカデミー認定で、ヨーロッパでは医療分野でも使用されています。
この技術を本格的に学べるのが「ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー」。日本人で初めてオーストリアの「MLD」にて認定講師となった人物が校長を務めるスクールです。
MLD認定ベーシックセラピストの受講条件は、解剖生理学とボディマッサージを学んだ方のみコースの受講が可能です。
起訴解剖生理学を30時間以上
AEAJ認定アロマセラピストの資格保持者
医師、看護師、助産師、准看護師、歯科医師、保健師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、マッサージ師、薬剤師などの国家資格を有するもの
JEAのモジュール1トリートメントの実技を修了している
他のスクールに於いて27時間以上、ボデイマッサージコースを受講している
AEAJ認定アロマセラピスト資格保持者
オステオパシー、カイロプラクティック、クラニオセクラルセラピー、ロルフィングといった認定資格の保持者
解剖生理学に於いて挙げた薬剤師以外の国家資格保持者
リンパ系解剖や生理・病理学などの理論を9時間、用手的リンパドレナージなどの実技を36時間受けることで認定となります。
MLDベーシックコース受講費用:180,000円~(地域によって異なる)
座学と実技をおよそ80時間、5日から6日かけて行います。大阪や東京、名古屋といった大都市にてカリキュラムが行われており、場所によって費用や日数が異なります。
MLD認定ベーシックセラピストは試験を受けて合否を判断してもらうものではなく、講習に参加することで認定してもらえますので、難易度は高くはありません。
但し、講習の難易度よりも、講習に参加できるのかという点の方が難易度が高いです。
MLD認定ベーシックセラピストの講習は東京や名古屋、大阪といった大都市にて行われるケースが一般的です。
それらの近隣、あるいはアクセスしやすい場所にお住まいの方であれば、MLD認定ベーシックセラピスト取得のチャンスも多々あるのですが、それらのエリアまで足を運ぶのが難しいエリアに住んでいる場合、時間を工面してMLD認定ベーシックセラピストに参加しなければなりません。
先に5日から6日かけて行われるとお伝えしましたが、セミナー開催地周辺にお住まいであれば通いながら講習を受けられますが、そうではない場合、現地までのアクセスはもちろんですが、宿泊施設も自分で用意しなければなりません。連泊することになりますが、当然その費用は自己負担することになりますので、講習の中身そのものよりも、講習に参加できる環境にあるのかという点で、難易度が変わります。
リンパ浮腫療法士とは、日本リンパ浮腫治療学会が認定する「リンパ浮腫の複合的治療に従事できる資格」のこと。複合的治療とは、スキンケアや用手的リンパ誘導マッサージ、圧迫療法、圧迫下の運動療法などの実施・指導・報告など、リンパ浮腫の治療に関わる一切の業務のことを指しています。
日本国における医師、看護師、理学療法士、作業療法士、あんまマッサージ指圧師、柔道整復師のうち、いずれかの資格を有していること。
上記、医師や看護師などの医療関連の資格を取得後、2年以上にわたる資格を活かした実務経験を有していること。
計135時間以上(座学45時間以上かつ実技90時間以上)のリンパ浮腫治療に関する研修を受けていること。
リンパ浮腫治療に関する研修を受けたのち、最低でも5症例(延べ人数ではない)の治療実績を有していること。
通常の筆記試験とマークシート式試験の2種類の形式で出題されます。試験範囲は「解剖生理学」が約20%、「浮腫の概論」が約20%、「複合的リンパ浮腫治療概論」が約60%となります。
試験の合格率は90%以上ですが、そもそも受験資格を与えられるまでの道のり自体、容易なプロセスではありません。よって、総合的な観点から見た場合の試験の難易度は、非常に高いと考えてください。
ただし、すでにプロセスの大半を終えている方(医師や看護師などの資格を取得し、かつリンパ浮腫治療の実務経験もある方)にとっては、決して難しい試験ではありません。
ICAA リンパドレナージセラピストとは、社団法人ICAAが認定するリンパ浮腫専門医療従事者向けの資格。リンパ浮腫の患者に対し、リンパトレナージ、スキンケア、圧迫療法、日常生活の指導などを行なう専門的な資格です。
医師、看護師、作業療法士、理学療法士のいずれかの資格を持っていることが資格を取得するための前提となります。
国際奨励基準である135時間以上の講座を受講します。
専門講座の受講費用:421,200円
座学および実技で学んだ内容から広範囲に出題されます。なお、座学で使用するテキストは『新リンパ浮腫研修』(ライフプランニングセンター)、実技で使用するテキストは『リンパドレナージセラピスト』(ICAA)です。
すでに医師や看護師等の国家資格を保有している方にとっては、決して難易度の高い試験とは言えないでしょう。ただし、医師や看護師になるまでのプロセス自体が高い難易度であることは言うまでもありません。
なお、専門講座を修了したのち、実技試験に失敗した場合にはICAAが再試験の機会を設定し、できるだけ合格できるように導くとのことです。
上記のような医療系リンパマッサージ資格は、基本的に医療従事者を対象としたものばかり。その多くが、国家資格の所持を取得条件としています。
しかし、サロンなどで施術を行う一般的なリンパマッサージなら医療従事者でなくても実施可能です。リンパマッサージスクールなどで取得した技術があれば、身近な人にマッサージしてあげることも、自分のお店を出すこともできます。
とはいえ、リンパマッサージの知識や技術があることを示すものが何もないのでは、施術する相手にも、勤務先にも不安を与えてしまいかねません。そこで役立つのが、当サイトで紹介している、さまざまな団体やスクールが発行しているリンパマッサージの民間資格。医療目的以外でリンパマッサージに挑戦したい方はこうしたマッサージスクールで資格取得を目指すと良いでしょう。
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