高齢者に対するリンパマッサージ

高齢者の多くは体の不調を抱えており、若いときよりもむくみやすくなった・疲れやすくなったなどの不安を感じているケースが少なくありません。だからこそリンパマッサージをする際も高齢者の不安に寄り添った施術を心がけることが大切です。このページでは高齢者に対するリンパマッサージの注意点や、おすすめの資格について紹介します。

高齢者のケアには足のリンパマッサージがおすすめ

若年層と比べると高齢者は筋力が衰え、欠陥が硬くなっている傾向が高くなっています。そのため血流が滞りやすくなるので、足がむくみやすくなるのです。足がむくむことで、末端の冷えを含む身体的トラブルを抱えているケースも。だからこそ足のリンパマッサージを行うことで、血流が向上し、むくみ解消につながります。

さらにリンパマッサージは直接触れ合うため、副交感神経を高め、安心感を与えるなどの効果も期待できるでしょう。

年をとると足がむくみやすくなる理由

筋肉量が減っている

特にふくらはぎの筋肉はポンプ作用の役割もあり、足を動かす動作で血液を心臓に向かって送っているという働きがあります。しかし、ふくらはぎの筋肉量が減ってしまえばポンプ作用も弱くなるため、ふくらはぎに血液が滞ってしまい、むくみが酷くなるのです。筋肉量は基本的に年齢とともに減ってしまうので、高齢者になるほど足がむくみやすいと言えるでしょう。

血管が硬くなっている

血管自体も老化が起こり、加齢になればなるほど血管壁は硬くなるため弾力性が弱まってしまいます。血管壁が硬くなれば足に血流が滞るだけでなく、血圧も上がるので余計にむくみやすくなるのです。

この状態が継続し悪化してしまえば、静脈性浮腫・静脈弁不全などの症状を引き起こす恐れもあります。これらの症状は静脈を流れる血液が逆流し、足のむくみを強くしてしまう症状なのです。つまり悪循環に陥ってしまうため、早期にむくみを改善することが大切になるでしょう。

日頃の運動不足

高齢になると関節の痛みや慢性的な疾患、体力低下など様々な要因によって、運動量が極端に減ってしまいがちです。運動不足になれば筋肉量が減るだけでなく、血液が足に滞るため足のむくみを起こしやすい状態になってしまいます。定期的な運動習慣を心がけることが大切です。もし歩くのが難しいのであれば、足首や足の指を動かすように意識するだけでも足に溜まった血流が流れやすくなるでしょう。

長時間座ったままの生活

高齢者に限らず、デスクワーク・読書・テレビなどで長時間座りっぱなしや立ちっぱなしの状態が続いてしまえば、重力などの影響によって足に血流が滞りやすくなります。とくに高齢者であれば筋力も弱いため、ポンプ作用が働きにくいため、余計にむくみ状態を悪化させる可能性が高まるでしょう。だからこそ長時間同じ姿勢のまま過ごすのではなく、こまめに姿勢を変えることが大切です。

飲んでいる薬の影響

足のむくみには、服用している薬も大きく影響しています。とくにステロイド系やカルシウムチャンネル拮抗薬、α遮断薬などの薬は、体の水分のバランスを崩しやすいという副作用があるため、どうしてもむくみがちになってしまうでしょう。高齢者の場合、高血圧・糖尿病など様々な疾患を抱えている方も多いので、どのような内服薬を服用しているかも注意しなければなりません。

高齢者の足のむくみを放置するリスク

足のむくみは決して外見上だけの問題ではありません。長期間むくみの状態を放置してしまうと、日常生活にも支障をきたす恐れがあるでしょう。どのようなリスクがあるのか、具体的に見ていきましょう。

日常生活への影響や精神的なストレス

足のむくみが酷くなると、次第に皮膚が突っ張る・だるい・動かしにくいなどの症状が起こり、さらに歩きにくい・立ちにくい・座りにくいなどの動きもしにくくなるでしょう。そのまま放置し続ければ色素沈着が起こる・皮膚が硬くなる・潰瘍ができるなどの恐れも。つまり、むくみは日常生活に支障をきたすだけでなく、感染症のリスクも高めてしまうのです。

さらに外見上の変化に伴い、自信が失われることをはじめとしたストレスを抱えてしまうことも。とくに自分の好きな靴が入らない、パンツがきついなどの変化が起これば余計に大きなストレスとなり、部屋に引きこもり、運動不足に陥ってしまい、健康を損なうといった悪循環に陥ってしまいます。

合併症のリスク

足がむくんでしまう原因には、血液循環が悪いこともひとつです。たとえば足に血液が滞ることで、血管が広がってしまい、血管壁を弱くさせてしまいます。その結果、静脈血栓症・深部静脈血栓症などの病気に陥る恐れが高まるでしょう。さらに血栓ができることで、肺や脳などに運ばれれば肺塞栓症・脳塞栓症などの疾患リスクがあるため非常に危険な疾患です。そのため、むくみを放置してしまうと合併症のリスクがあるので注意しなければなりません。

病気の発見が遅れてしまう

足のむくみは生活習慣や薬剤などの影響も関係していますが、心臓・腎臓などの病気のサインであることも。むくみがあると分かっていながら何も対処せずに放置すると、病気の発見が遅れてしまう可能性があります。たとえば心臓に何らかの問題を抱えていると、血液循環が悪くなるので足がむくみやすくなるでしょう。放置し続けると心不全へと悪化し、他の臓器にも悪影響を及ぼし生命維持にも支障をきたしかねません。だからこそ少しでも足のむくみがあると感じれば、早めに医療機関を受診した方が良いでしょう。

高齢者をケアするためのリンパマッサージの資格

介護リハビリセラピスト

アロマテラピーのスキルを活かして、高齢者・要介護者にアロママッサージ・ハンドマッサージなどを行うための知識・テクニックを習得する資格です。ほとんどの場合、通信制なため自宅など好きな場所・時間に学ぶことができます。スクールに通学することが難しい方であっても資格取得が目指せるでしょう。介護分野で仕事に就きたいと考える方にとっては、非常におすすめの資格のひとつです。

アロマハンドセラピスト

アロマテラピーを安全に施術するために欠かせない知識を身につけ、さらに第三者にハンドマッサージを行うためのトリートメント技術を習得していることを認定している資格です。家族や友人だけでなく、ボランティアでアロマハンドマッサージを施術できるときに役立つ資格でしょう。

またアロマテラピー検定の1級に合格し、AEAJに入会したうえで、アロマテラピーアドバイザーの資格取得をした方が、アロマハンドセラピストの標準的なカリキュラムを受講すれば取得可能です。

AHTA認定アドバンス資格

アロマハンドトリートメント協会を提供している資格のひとつで、まずAHTA認定アドバンス資格を取得したのちに、SHTA認定インストラクター資格・AHTA認定プロフェッショナル資格へとステップアップしていきます。段階的にステップアップすることによって、無理なく学習が進められるだけでなく、自分の目標に向かって活動の幅が広がるでしょう。

ハンドリフレセラピスト

ハンドリフレクソロジー協会が提供している資格で、ホームハンドリフレセラピストの資格取得をした方が、受験の資格が得られます。ハンドリフレセラピストの資格を取得すれば、独立開業ができ自分でサロン運営が行えるでしょう。またステップアップしたいのであれば、ハンドリフレインストラクター・ハンドリフレトレーナーの資格取得が目指せます。通学制・通信制のどちらでも資格取得が可能です。